人間のフェロモンはまだまだ研究段階の分野ですが、現時点での情報をまとめています(2013年~2018年調べ)
目次
性フェロモンとは?
性フェロモン(Sex pheromone)とは、配偶行動において異性間のコミュニケーションに利用される化学物質の総称です。 地球上の多くの生物では、配偶行動を起こす刺激として、異性の存在が必要になります。 その存在を知らせるために、視覚や聴覚、そして嗅覚が用いられます。それら異性の存在を知らせ、交尾に至らしめる匂いのことを、性フェロモンと呼んでいるのです。
参照:gifu-u.ac.jp
要するに、性的魅力を匂いで感知することです。
人間に性フェロモンってあるの?
人間にはヒトフェロモンと呼ばれるフェロモンがあります。
ヒトフェロモンとは?
出典:Amazon
従来の学説では、人間は器官の退化によりフェロモン効果はないとされてきましたが、アメリカの研究チームがフェロモンを感知するジョビ器官を確認し、米科学誌ネイチャー・ジェネティクスで発表した事で、フェロモンは存在する!と話題になりました。
参考:natureasia.com
米科学誌ネイチャー・ジェネティクス
アポクリン腺とは?
フェロモンが出てるであろう、汗線(汗が出る部位)の一種です。
人のアポクリン腺は、脇の下、へそ周り、耳の外側、乳輪、性器周辺にあると言われています。
動物は種の存続と遺伝子の偏りを防ぐため、自分とは違うにおいに惹かれる本能をもっています。相手を確認するための手段が“におい”というわけです。アポクリン腺のある部位が性的な部位に集中しているのも、そのためです。
関連記事:フェロモンとアポクリン腺
代表的な性フェロモン候補
企業系のヒトフェロモンの配合は特許の問題もあり、公表されていない物質もあると言われています。(僕たち一般人には謎な部分)
今回は公表されているフェロモン様成分について調べています。
アンドロステノン(Androstenone)
アンドロステノンはオス、メスを問わず汗に含まれるステロイドである。人によって異なるが、不快な、甘い、尿のような、あるいは森林のようなにおいを持つとされ、花のような良いにおいであるという者さえいる。
参考記事:アンドロステノン
男性の性フェロモン候補
アンドロステノール(Androstenol)
アンドロステノールは男性に多く分泌される物質で、女性を興奮させる「ムスク臭」とも言われています。
「たけしの万物創世記」の公開実験で効果が実証されたことでも有名になった成分です。(2000年8月22日に放送)
フェロモン(アンドロスタノール)をつけたシャツを誰が着ていたか当てるという実験でしたが、女性陣はみごと所ジョージさんが着用していた事を当てたという内容です。
実験結果
女性を目隠しした実験の結果ではなんと6人中5人の女性がアンドロスタノールをつけている男性に「どきどきした」「胸が高まった」「ビビッときた」と感じたそうです。
参考記事:アンドロステノールについて
アンドロスタンジオン(Androstenedione)
多くのTV番組でフェロモン=アンドロスタノール誘導体と紹介されてきました。
その物質の正体が、このアンドロスタンジオンだと言われています。(一般的に性ホルモンの前駆体とされる存在です)
アンドロスタンジオンは男性ホルモンであるテストステロン、あるいは女性ホルモンであるエストロンやエストラジオールのそれぞれの生合成経路の中間生成物である。(参考)
アンドロスタジエノン(Androstadienone)
男性の汗と精液に含まれる成分。(麝香にも同様の物質が含まれているそうです)
この匂いを女性が嗅ぐと興奮するといわれています。(いわゆる男性の汗の匂いが好きという女性の理由ですね)
この成分はフェロモン研究でも賛否両論で、様々な実験が行われてます。
ホルモン「コーチゾル」の上昇
2007年、アメリカの研究では女子大生の唾液を採取し、コーチゾルの変化を測定。結果、匂いを嗅いだ女性は性的な興奮が起こり、生理反応が増加。
引用:mag2.com
写真で識別する実験、効果なし
2017年、オーストラリアの研究では、匂いを嗅いだ女性が写真の人物を見て魅力を感じるのかという実験。結果、変化がなかったために否定されたものです。
関連記事:フェロモン成分の候補
ちなみにオーストラリアの実験は、この写真を見て魅力に変化があるのか確かめるという実験です↓
2日間の実験結果
- 男女の識別に変化があるか →変化なし
- 魅力的にうつるか →変化なし
テストステロン(Testosterone)
ちなみに男性にはテストステロンという男性ホルモンの代表格があります。
このホルモンを高めることで、女性は魅力を感じます。
ただしテストステロンはホルモンです。
作用は似てますが、直接的にフェロモンに関係しているかは不明です。
参考記事:テストステロンについて
女性の性フェロモン候補
コピュリン(Copulins)
女性の排卵期に作り出される物質です。(コピュリンはオスモフェリンの正式名称)
男性がこの匂いを嗅ぐと1.5倍テストステロン値が上がるそうです。
参考記事:コピュリンについて
エストラテトラエノール(Estratetraenol)
女性の尿に含まれる成分。
この成分は男性が嗅ぐと興奮すると言われる成分。
この成分も2017年にオーストラリアの研究で否定されています。(参考)
エストロゲン(Estrogen)
エストロゲンも男性を魅了するホルモンです。
間接的な作用はフェロモンに似てますが、フェロモンというわけではありません。
参考記事:エストロゲンについて
参考記事:フェロモンとホルモン
わかっていること
かいつまんで言えば 、フェロモンの物質的な正体は未だ謎。ただし存在は確立しているという段階です。
わかってることは人間も匂いで性的魅力を感じること。
フェロモン香水でいえば、ヒトフェロモンであったり、植物フェロモンという存在もあります。
フェロモンは奥が深いです。