今回は「酢酸ベンジル」という成分について。
フェロモンとの関係が深い成分なので、一体どんな成分なのか調べてみました。
目次
植物のフェロモン「酢酸ベンジル」
別名「ベンジルアセテート(Benzyl acetate)」
酢酸ベンジルは多くの花に見られ、特にジャスミン、イランイラン、トベラ、ヒヤシンス、クチナシなどの精油の主成分である。これ自体がジャスミン様の甘い香りを持っており、香水や化粧水に使われる
引用:wikipedia
酢酸ベンジルとは、いわゆる”植物のフェロモン”です。
多くの花に存在する成分で、嗅いだ者の精神を高揚させる働きがあります。
催淫効果の元とも言われる成分です。
酢酸ベンジルはどんな匂い?
イランイランはオリエンタルなエキゾチック感があり、ジャスミンは女性らしいフローラル感が強い香りですが、どちらも濃厚で甘い香りです。
その甘く官能的な香りの正体が「酢酸ベンジル」と言われています。
酢酸ベンジルのフェロモン効果
甘い香りに惹き寄せられるハチ。
酢酸ベンジルはハチ類のオスを誘引するフェロモン様成分で、研究のためにハチを捕まえる際の罠としても利用されています。(ウィキペディアによれば、シタバチ類のオスを誘引するそうです)
酢酸ベンジルってどんな成分?
構造式:C6H5CH2OCOCH3
組成 C9H10O2 分子量 150.17 沸点 150℃ 密度 1.059 エステルの一種。水に不溶、アルコールに溶ける。
参照:iromizu.com
酢酸ベンジルはエステル類に分類される成分です。
参考記事 現役教師が教えるやさしい精油の化学/香り成分の構造と分類
酢酸ベンジルの注意点
酢酸ベンジルは魅力的な香り成分ですが、物質的に危険な一面もあります。
それがものを溶かす性質です(プラスチックや樹脂を溶かす性質もあります)。
消防法による第4類危険物 第3石油類に該当する。(中略)脂溶性が高く、皮膚に触れると脱脂を起こす。
引用:wikipedia
甘いものにはドゲがある。
精油の取り扱いに注意が必要な理由です。
酢酸ベンジルの精油と言えば?
イランイランとジャスミンの精油に多く含まれています。
パーセント的にはジャスミンの方が酢酸ベンジルは多いです。
ジャスミンの芳香成分
エステル類 | 酢酸ベンジル(15~40%) 安息香酸ベンジル(15~20%) |
ジテルペンアルコール類 | フィトール(5%~15%) |
モノテルペンアルコール類 | リナロール(5%~10%) |
イランイランの芳香成分
エステル類 | 酢酸ベンジル(5~10%) |
セスキテルペンアルコール類 | ゲルマクレンD(15~25%) |
モノテルペンアルコール類 | リナロール(5%~10%) |
フノールエーテル類 | パラクレゾールメチルエーテル安息香酸ベンジル(5~10%) ファルネセン(5~15%) β-カリオフィレン(5~10%) |